TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2026.08.28 豆知識

歯肉から血が出るのはなぜ? ブラッシング中の出血で考えられる原因と受診の目安

歯磨きする女性

ブラッシング中に歯肉から血が出ると、「磨きすぎたのかな」「歯周病では?」と不安になる人もいるでしょう。
一時的な刺激が原因で出血するケースもありますが、歯肉炎や歯周炎が隠れている可能性もあります。

今回は、ブラッシング中に歯肉から血が出る原因と、歯科医院を受診する目安について解説します。

ブラッシング中の出血の主な原因は?

歯肉から血が出る原因として多いのが、歯垢(プラーク)による炎症と、歯ブラシや清掃器具による物理的な刺激です。

歯垢によって歯肉に炎症が起きている

歯と歯肉の境目に歯垢が残ると、細菌の影響で歯肉に炎症が起こり、腫れや出血が見られるようになります。
歯垢は白色や黄白色で目立ちにくく、毎日歯を磨いていても磨き残しが生じることがあります。
特に奥歯や歯と歯の間、歯並びが重なる部分、歯と歯肉の境目は歯垢が残りやすいため、歯ブラシの毛先を丁寧に当ててブラッシングしましょう。

歯ブラシの力が強すぎて歯肉を傷つけている

強い力でゴシゴシ磨くと、歯ブラシの毛先が歯肉を傷つけ、出血につながるケースがあります。
歯ブラシの毛先が短期間で開く、磨いた場所がヒリヒリするといった状態があれば、ブラッシング圧を見直してください。

また、デンタルフロスを勢いよく歯肉へ押し込んだり、太すぎる歯間ブラシを無理に通したりするのも、歯肉を傷つけて出血する原因になります。
フロスや歯間ブラシのサイズや使い方に迷ったら、歯科医師や歯科衛生士へ相談し、自分の口腔内に合った清掃方法を確認してください。

ブラッシング中の出血では歯肉炎や歯周炎に注意

歯肉からの出血で確認したい原因の一つが歯周病です。
歯周病は自覚症状が少ないまま進行する場合があり、ブラッシング中の出血や歯肉の腫れ、口臭などがサインとして現れることが少なくありません。
「痛くないから大丈夫」と判断せず、歯肉の状態にも注意しましょう。

歯肉炎では赤みや腫れとともに出血が現れる

歯周病の初期には、炎症が主に歯肉にとどまる「歯肉炎」がみられます。
この段階では歯槽骨など深い組織の破壊は生じておらず、適切なプラークコントロールや歯科医院での管理によって改善が期待できます。
歯ブラシに血が付く状態を繰り返しているなら、少量でも放置せず歯科医院で確認してもらうと安心です。

歯周炎へ進むと歯を支える組織にも影響が及ぶ

歯周炎へ進行すると、炎症が歯を支える歯槽骨などへ広がり、さらに進むと歯槽骨が失われて歯がぐらつく状態につながる可能性があります。
歯肉の赤みや腫れ、口臭、歯肉の退縮、歯と歯の隙間の変化、歯のぐらつき、膿などが出血とともにみられるときは、早めに歯科医院へ相談してください。

歯石は歯周病を悪化させる間接的な要因になる

歯垢に唾液中のカルシウムやリン酸などが沈着して石灰化すると、歯石になります。
歯石そのものが歯周病の直接的な原因になるわけではありませんが、表面がざらついているため歯垢が付着しやすく、歯周病を悪化させる間接的な要因になります。
歯石はブラッシングだけでは除去できないため、歯科医院で専用の器具を使った処置が必要です。
同じ場所から出血を繰り返す、または長期間歯科医院を受診していないのであれば、歯石や歯周ポケットの状態を確認してもらいましょう。

歯肉から血が出てもブラッシングはやめない方がよい?

歯肉から血が出ると、ブラッシング時に出血している場所を避けたくなるかもしれませんが、歯肉を傷つけない程度の力で丁寧に行いましょう。

出血している場所を強くこすらない

出血している部分を集中的に強く磨く必要はありません。
歯ブラシの毛先を歯と歯肉の境目に当て、強く押し付けずに小刻みに動かします。
ただし、腫れや痛みが強い、軽く触れただけで出血する、出血量が多いといった症状があれば、自己流のケアを続けず歯科医院へ相談してください。

歯と歯の間は補助清掃器具も活用する

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の歯垢を十分に除去できない部分があります。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、歯ブラシが届きにくい場所も清掃できます。
ただし、太すぎる歯間ブラシを無理に通すと歯肉を傷つける原因になるので、無理なく入るサイズを選び、強く押し付けないように使用しましょう。

歯肉からの出血で受診を考えたいサイン

ブラッシング中に一度出血しただけで、病気とは限りません。
ただし、前述したように出血を繰り返す、腫れや膿など別の症状もあるときは、歯周病などが隠れている可能性があります。

同じ場所から何度も血が出る

同じ場所から繰り返し出血する、ブラッシング圧を見直しても改善しないときは、歯肉の炎症が続いている可能性があります。
出血量が少なくても、「いつも同じ場所から出る」という変化を見逃さず、歯科医院へ相談しましょう。
また、歯周炎が進行すると、歯を支える歯槽骨が失われ、歯のぐらつきなどが現れます。

腫れ、膿、強い口臭を伴っている

出血に加えて歯肉の腫れや膿がみられるときは、歯周病が疑われます。
痛みが少なくても、口臭や歯肉の見た目にも注意してください。
また、噛みにくい、歯が長く見える、歯の位置が変わったように感じるときも、同様です。

歯科医院では歯肉出血の原因をどのように調べる?

歯の模型に立つ歯医者の人形

歯肉からの出血で歯科医院を受診すると、出血部位だけでなく、歯垢や歯石、歯周ポケット、歯のぐらつきなども確認します。

歯周ポケットの深さや出血を確認する

歯周病が進行すると、歯と歯肉の間にある歯肉溝が深くなり、歯周ポケットが形成されます。
歯科医院では専用の器具を使い、歯周ポケットの深さや検査時の出血、歯のぐらつきなどを調べるのが基本です。
必要に応じてエックス線撮影で歯槽骨の状態を確認するケースもあり、こうした検査から歯肉炎の段階なのか、歯周炎へ進行しているのかを判断します。

歯垢や歯石の付着状況を確認する

見た目ではきれいでも、歯と歯肉の境目や歯周ポケット内に歯垢や歯石が残っていることがあります。
歯科医院では付着している場所を確認し、歯石除去やブラッシング指導を行います。
磨き残しが生じる場所や歯ブラシの当て方を確認すれば、毎日のセルフケアも見直しやすくなるでしょう。

歯肉からの出血を防ぐために見直したいセルフケア

歯肉の健康を保つには、歯垢をためにくい状態を日頃から維持する意識が大切です。
歯ブラシの当て方や力加減、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方も見直してみましょう。

歯と歯肉の境目へ毛先を当てる

歯垢は歯と歯肉の境目にも付着します。
歯の表面を大きくこするのではなく、毛先を歯と歯肉の境目へ当て、小刻みに動かしながら丁寧に磨いてください。
奥歯の後ろ側や歯並びが重なる部分なども磨き残しが生じやすいため、意識して清掃しましょう。

自分に合った歯ブラシや歯間清掃器具を選ぶ

歯ブラシの硬さやヘッドの大きさは、歯並びや歯肉の状態、磨き方によって適したものが異なります。
歯間ブラシも太すぎるサイズを無理に通すと歯肉を傷つける原因になるため、無理なく入るものを選びましょう。
適した種類やサイズが分からないときは、歯科医師や歯科衛生士へ相談してください。

定期的に歯科医院で口腔内を確認する

先に触れたように、歯周病は目立った痛みがないまま進行するケースがあります。
定期的に歯科医院を受診し、歯肉や歯周ポケット、歯垢や歯石の状態を確認してもらうと、異変を早い段階で見つけやすくなります。
出血があるときは、「いつから」「どの場所から」「どの程度の頻度で出るのか」を伝えると診察時の参考になります。

歯肉からの出血を繰り返すなら早めに歯科医院を受診しよう

歯の模型を持つ医者

ブラッシング中の出血には、歯垢による歯肉の炎症、歯周炎、強すぎるブラッシング、フロスや歯間ブラシによる刺激などが関係します。
「少し血が出ただけ」と判断せず、出血を繰り返していないか確認し、歯肉の赤みや腫れ、口臭、膿、歯のぐらつきなどもみられるなら、早めに歯科医院へ相談しましょう。
出血だけに注目するのではなく、原因を把握したうえで、自身の口腔内状態に合ったブラッシングや歯周ケアを続けることが大切です。

当院でも、歯のセルフケアに関するアドバイスや指導を行なっていますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。