TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2024.02.15 小児歯科

いつ頃から始めるべき? 子どもの歯列矯正を行うメリット

「子どもの歯並びが気になるので歯列矯正を受けさせたい」という保護者の方は近年増加傾向にありますが、一般的にいつ頃から始めるべきなのか、どのくらいの期間がかかるのかなど様々な疑問を抱えている方が多いのではないでしょうか?
歯列矯正は大人になってからでも始めることができますが、子どものうちに行っておくことで様々なメリットが得られます。

そこで今回は、お子様の歯列矯正を検討している方に向けて、矯正治療の必要性やメリット、注意点などを分かりやすく解説します。

子どもの歯列矯正を行うタイミングは2種類

子どもの歯列矯正は、成長に応じて2つの治療開始時期に大きく分けられます。
乳歯が抜けて永久歯が生え揃うまでの「混合歯列期」に始める「1期治療」と、永久歯が揃った「永久歯列期」から始める「2期治療」です。

1期治療(6~10歳ごろ)

1期治療は顎に適切な成長を促し、これから生えてくる永久歯が綺麗に並ぶ土台づくりのために歯列矯正を行います。この時期の子どもは骨が柔軟なため、顎の成長を利用して治療することができます。
乳歯が抜け始めた早い段階から適切に治療を行うことで綺麗な歯並びへと導き、2期治療や将来的に成人矯正が不要になったり、期間や費用などの面で負担が軽減されたりする可能性が高くなります。
そのためお子様の歯列矯正は可能であれば1期治療から検討するのがおすすめです。

2期治療

永久歯が生え揃ってから行う2期治療は、「歯列矯正」と聞いてイメージされる方が多い最も一般的な治療法である「ワイヤー矯正」のほか、「マウスピース矯正」など大人の歯列矯正と同じ器具を使って治療します。2期治療の場合は「成人矯正」に分けられることもあります。
1期治療を受けなかったものの、あとから子どもの歯並びが気になるようになったという方などケースは様々です。

顎の発育を利用しない一般的な歯列矯正(成人矯正)は基本的にいつでも始められますが、歯並びの乱れが大きくなるとそれだけ治療が大掛かりになり、期間や費用もかかる可能性があります。
そのためお子様の歯並びが気になる場合は、将来を見据えて程度に関わらず早い段階から矯正治療専門の歯科医院に相談してみましょう。

子どものうちに歯列矯正を行うメリットとは?

子どものうちに行う歯列矯正(主に1期治療)には、下記のようなメリットがあります。

虫歯や歯周病の予防につながる

歯並びが乱れていると歯に食べカスや汚れが付着しやすくなるだけでなく、歯ブラシの毛先がうまく当たらない箇所が出てきてしまい、やがて虫歯や歯周病といったトラブルを引き起こす原因になります。
歯列矯正は歯並びの見た目だけでなくこうしたリスクを低減させて、お子様の歯の健康を守ることにもつながります。

コンプレックスの解消

お子様が多感な時期を迎えたときに、歯並びの見た目を気にするようになる可能性があります。治療を行う場合でも、目立つ矯正器具を付けて学校に行くのがストレスになることが想定されるので、将来的なコンプレックスを解消・予防するためにも早期の歯列矯正がおすすめです。

正しい呼吸法や発音が身につけやすくなる

歯並びを矯正することで、正しい呼吸法や発音を身につけやすくなります。
人は鼻で呼吸する鼻呼吸が通常ですが、様々な要因が重なり口呼吸になってしまっている子どもも多く、歯並びや噛み合わせだけでなく健康にも悪影響を与える可能性があります。
歯列矯正では口呼吸を改善して鼻呼吸への移行を促せます。また口呼吸以外にも指しゃぶりや舌の癖などが歯並びの乱れの原因となっている場合があるため、これらの習慣を正す指導が行われることがあります。

噛み合わせを改善

歯列矯正で噛み合わせを改善し、前歯や奥歯を正しい位置に移動させることで食べ物を適切に噛むことができるようになります。栄養の吸収効率アップにもつながり体の成長を助けます。
大人になってから顎の骨格的なバランスを整えるのは難しいですが、子どものうちに矯正を行うことで顎の骨の正しい成長を促せます。

成人矯正に比べて負担が少ない

1期治療は顎の成長を利用して歯列矯正が行われるため、成人矯正に比べて歯が動く時の痛みが少なく、矯正装置を付ける期間も短いのでお子様への負担が少なく済むメリットがあります。
また2期治療に移行する場合であっても、治療期間が短くなる可能性が期待できます。

子どもの歯列矯正の注意点

子どもの歯列矯正は様々なメリットがある一方で、注意点もいくつかありますので確認しておきましょう。

治療期間が長引くことがある

1期治療は乳歯から永久歯へと生え変わって顎が成長していく時期になりますので、歯列矯正中は経過観察が必要になる場合があります。
また歯並びの状態によっては継続的な治療を要する可能性があるため、治療期間が長引くことがあります。2期治療が必要になるケースもあり、成人矯正よりも期間が長くなることがある点には留意しておきましょう。

子どもがストレスを感じる場合も

子どもの歯列矯正は、基本的に保護者の方の判断で行われるためお子様にとっては負担となる場合も考えられます。成人矯正と比べて負担が少ないとはいえ、子どものストレスとなり矯正器具が正しく付けられなかったり、途中で外してしまったりと治療がスムーズに進まない可能性があります。
そのためお子様のモチベーションを維持するためには、ご家族の日頃のサポートが重要になります。矯正器具によっては一時的に見た目が悪くなる場合がありますので、カラーゴムを使用するなど、できるだけ矯正中でも楽しく過ごせるよう工夫してみましょう。

また歯列矯正中はキャラメルや餅、ガムといった粘着性の高い食べ物や、硬い食べ物は矯正器具が外れてしまうリスクがあるため注意が必要です。しかし、おやつの制限がお子様のストレスにならないように、別の食べ物をおすすめするなど配慮してあげましょう。

歯磨きしづらく虫歯のリスクが上がる

歯列矯正中は、使用する矯正器具によっては歯磨きがしづらくなる場合があるため、歯垢が溜まり虫歯のリスクが上がる恐れがあります。しっかりセルフケアするためにも、歯科医師または歯科衛生士から事前に正しいブラッシング法を確認してください。
また特にお子様が小さなうちから歯列矯正を始める場合は、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげるなどして口の中の衛生面に気を配りましょう。歯科医院で行う定期的なクリーニングが特に大切で、予防に特化した歯科医院で定期検診をしましょう。

まずは歯科医院で矯正相談をしてみよう!

歯列矯正は大人になってからでも始めることができますが、子どものうちに行う矯正治療(1期治療)は顎骨の成長を利用してできるというメリットがあり、将来的に成人矯正を行うことになった場合も負担を少なくできる可能性が高くなります。
しかし、適切な治療開始時期や内容は口内の状況によっても異なりますので、「子どもの歯並びが気になる」「将来のために今のうちから矯正しておきたい」とお考えの方は、まずはぜひ歯科医院に足を運んでお子様に合った歯列矯正を相談してみましょう!

当院でも、子どもから大人まで幅広く、患者様にあわせたカスタムメイドの歯列矯正治療を勧めておりますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。