TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2024.03.25 豆知識

歯石除去の重要性! 健康な歯を守るために知っておこう

快適な食事や美しい笑顔には歯の健康は欠かせません。その中でも、「歯石」は多くの方を悩ませる口腔内の問題の一つです。
そこで今回は、歯石ができる原因やリスク、歯科医院で行われる歯石除去について分かりやすく解説します。

歯石とは?

「歯石」は、歯の表面や歯肉の近くにできた細菌の塊である「プラーク(歯垢)」が石灰化したものです。
プラークが唾液中の成分と反応し、時間をかけて石灰化します。
一度形成されると、自宅でのブラッシングやフロッシングだけでは除去が困難になり、歯科医院での専門的な処置が必要となります。
歯石は口腔内の環境を悪化させ、歯周病のリスクを高める要因ともなるのです。

歯石はザラザラしているので、プラークが付着しやすくなります。プラークは細菌の塊なので、歯肉に感染や炎症を引き起こし、歯肉の腫れや赤み、出血のしやすさ、口臭、歯肉の後退などの症状が出ることがあります。

プラークが歯石に変化するまでの時間は個人差があり、口腔内の衛生状況によって大きく異なります。

歯石が引き起こす可能性のある問題

歯石による大きな問題の一つが、歯周病の進行です。
歯石に付着したプラークが原因で歯肉に炎症を引き起こすと、歯肉が赤く腫れ、歯ブラシ程度の刺激でも出血するようになります。
それが進行すると、歯を支える骨にまで炎症がおよび、骨の破壊、歯肉の後退、最終的には歯の喪失につながる可能性があります。
特に歯周ポケット内は、気が付かないうちに歯周病が進行していることが多いです。

また、歯石は口臭の原因とも関連しています。歯石の表面は細菌が増殖しやすい状態となっており、これらの細菌が口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物」を産生するのです。
歯石が歯肉の下に形成された場合、通常のブラッシングでは取り除くことが難しくなり、口臭が悪化する可能性が高くなります。

歯石を未然に防ぐためには、日頃から正しいブラッシングやフロッシングなどを行い、しっかりとプラークを除去することが重要です。できてしまった歯石は、定期的に歯科医院でクリーニングを行い除去してもらいましょう。

歯石除去の必要性について

歯石の除去後に多くの人が感じる効果の一つに、歯と歯肉の間の不快感が軽減される点があります。歯肉の健康が改善され、ブラッシングやフロッシングがしやすくなり、出血や腫れの減少が実感できるでしょう。

歯科医院での歯石除去が必要な頻度は、個人の口腔状態や生活習慣などによって異なりますが、一般的には3~6ヶ月に一度の歯科検診とクリーニングをおすすめします。
ただし、歯石の蓄積が早い人や歯周病のリスクが高い人は、間隔を短くして診察を受けた方が望ましい場合もあります。
検診を行えば歯石の蓄積状況を確認できるので、自身の状況に合わせたクリーニングスケジュールを計画してもらいましょう。

一方で注意点としては、歯石の除去を控えた方が良いケースも存在します。
例えば、急性の歯肉炎、その他歯の不具合や歯肉の疾患がある場合などは、炎症や症状が落ち着くまで様子を見ながら、歯石除去のタイミングを見計らいます。

歯石除去を行う際は痛みを伴うことも?

歯石除去をする際には、人によって痛みを伴う場合があります
この痛みや不快感を最小限に抑えるためには、その原因や状況に対して適切な対応をしてもらうことが大切です。

歯石除去時の痛みは、主に歯肉の炎症の程度や、歯石の量や硬さ、および個人の痛みに対する感受性によって異なります。
例えば、歯肉が既に炎症を起こしている場合、触れられるだけで痛みを感じやすくなっています。
さらに、歯や歯肉が特に敏感な人は、通常の処置でも痛みを感じることもあるでしょう。

歯石除去後には、歯肉からの軽度の出血や一時的な痛みが生じるケースもありますが、通常、数日以内に自然に改善します。

歯科医院で行う一般的な歯石除去の方法

歯科医院での歯石除去は、歯科医師や専門的な技術と知識を持つ歯科衛生士による処置やクリーニングが行われます。

まず、患者の口腔内状況を正確に把握し、歯石の位置や厚み、歯周病の進行度合いなどを考慮して治療やケアを行います。
歯石だけでなくプラークの除去、歯面の研磨、フッ素塗布などを行い、口腔内を清潔な環境にします。

その際、歯石除去後の正しいブラッシング方法やデンタルフロスの使用方法など、今後の日常生活で歯石が溜まりづらくするための口腔衛生のセルフケア方法をアドバイスしてもらいます。
歯科医院で教わったセルフケアをしつつ、定期的な通院によるケアを受けるようにすれば、歯石の蓄積の予防になります。

歯石除去はセルフケアでも行える?

歯石の除去は基本的に歯科医院で行います。
市販されている歯石取り器具を使用して自宅で歯石を除去すると、不適切な使用により歯や歯肉を傷つけ、感染症のリスクを高める可能性があるためおすすめできません。

毎日のブラッシングとフロッシングでプラークの蓄積を防ぎ、適切な口腔衛生管理をすることで、歯石の形成を遅らせるという予防策が最も基本的で安全なケア方法です。
また、健康的な食生活を心がけることも歯石の形成を抑える効果があります。

歯石の除去は安全性を考慮して自身では行わず、きちんと歯科医院でしてもらいましょう。

歯石除去後のアフターケアについて

歯石除去を行ったあとには、適切なアフターケアが重要になります。
ここでは、歯石除去後に長期的な効果を維持するためのポイントをご紹介します。

ブラッシングとフロッシング

歯石除去後、歯肉の炎症が収まり始めると、歯と歯肉の間に自然な隙間が戻ってきます。
この状態を保つために、正しいブラッシングやフロッシングをすることが非常に重要です。
歯肉に炎症がある場合は柔らかい毛の歯ブラシを使用し、歯肉を傷つけないようにブラッシングしましょう。
また、フロスや歯間ブラシを用いると、歯と歯の間や歯肉縁下に残るプラークを効果的に除去できます。

知覚過敏との関連

歯石除去後、一時的に歯が冷たいものや熱いものに敏感になる場合があります。これは歯石が取り除かれたことで歯根が露出し、知覚過敏を引き起こすためです。
この症状は通常、数日から数週間で自然に軽減しますが、強い知覚過敏が続く場合は歯科医師に相談し、知覚過敏用歯磨き粉の使用やフッ素塗布などの治療を受けることをおすすめします。

歯石除去後のメンテナンス

歯石除去後は、定期的なメンテナンスが必要です。3~6ヶ月ごとの歯科検診を受け、必要に応じてクリーニングを行うことで歯石の再蓄積を防ぎます。
また、日々の口腔ケアに加えて、食生活の見直しも重要です。特に糖分の多い食品や飲料の摂取を控えるとプラークの形成を抑えられます。

歯石除去のために定期的にクリーニングをしてもらおう!

歯石の除去は口腔衛生を維持し、歯周病や虫歯といった口腔内疾患の予防に必要な処置です。
定期的に歯科医院を受診してクリーニングなどのケアを行えば、歯石の蓄積を回避し、リスクを最小限に抑えられます。

前述したように、自身で行うことは適切な知識と技術がなければ逆効果になる可能性が高いため、歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受けながら除去してもらいましょう。

当院でも、歯石除去など歯のケアに関するアドバイスや指導を行なっていますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。