TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2026.08.21 アイテム

スポーツ用マウスピースの役割は? 使用する競技や歯科医院での制作の流れ

スポーツ用マウスピースは、ラグビーや格闘技のような特に接触の激しいスポーツで歯を守るために使用します。
口の中や歯への衝撃をやわらげる役割が中心ですが、集中力やパフォーマンスにも関わる大事な道具でもあるのです。

今回は、スポーツ用マウスピースの役割や使用される競技、市販のタイプと歯科医院で作るタイプの違いについて解説します。

スポーツ用マウスピースとは?

スポーツ用マウスピースは歯列にフィットさせ、強い衝撃が加わったときのケガを予防できます。
口元のケガは深刻で、前歯が折れたり、舌を噛んでしまったり、最悪の場合は顎の骨折につながることもあるのです。

ボクシングやラグビーのように直接的な接触があるスポーツはもちろん、バスケットボールや野球、自転車競技のような間接的なリスクがあるスポーツでも、口の中を守る役割を果たします。

最近では、かみ合わせを整えると集中力や瞬発力がアップするという研究データもあり、パフォーマンス向上の面でも注目されています。
特にコンマ1秒の差が勝敗に直結するような競技では、歯の噛みしめ具合が大きな影響を及ぼすことも少なくありません。

また、成長期の子どもが安全にスポーツを楽しむために、小中学生の部活動やクラブ活動の中でも普及し始めています。

スポーツ用マウスピースの種類

スポーツ用マウスピースには、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれに特徴があり、目的や予算、使う頻度に応じて選び方が変わってきます。

市販の既製品タイプ(プレファブリックタイプ)

スポーツショップやネット通販でよく見かける「プレファブリックタイプ」は、成型不要ですぐに使えるタイプのマウスピースで、価格は安く、数百円~2,000円前後のものが多いです。
ただし形があらかじめ決まっているため、自分の歯並びに合わないことも多く、ズレやすかったり、違和感を覚えやすかったりします。
また、しゃべりにくい、呼吸しづらいと感じる場合もあり、あくまで練習用や、とりあえず試してみたい人向けです。

ボイル&バイトタイプ

お湯で柔らかくして、自分の歯に合わせて成型する「ボイル&バイトタイプ」は、お湯につけて噛むだけで使えるものです。
市販の中でもフィット感があり、歯科医院で作成するよりも低価格のため、スポーツ初心者や中高生の部活動にも人気があります。
ただし、歯並びが複雑だったり、歯列矯正をしていたりするとフィットしにくい場合もあり、精度には限界があります。

オーダーメイドタイプ(歯科医院で作成)

最も高精度で、安全性、パフォーマンス性ともに評価が高いのが歯科医院で作る「オーダーメイドタイプ」です。
歯型をしっかり取って、自分の噛み合わせにぴったり合ったものを作るのでズレにくく、しゃべりやすくて、呼吸もしやすいという快適さがあります。
また、衝撃の吸収性や耐久性も高く、長く使いたい人や本格的に競技に取り組む人にはおすすめです。
オーダーメイドのスポーツ用マウスピースは、基本的には保険適用外(自費診療)で、料金は医院によって異なりますが、10,000円~30,000円前後が相場です。

マウスピースが特に必要なスポーツ

スポーツ用マウスピースは、着用が義務化されている競技がありますが、ケガをするほど激しくないと思えるような競技でも、役立つ場面はたくさんあります。

ラグビー、アメリカンフットボール

激しい接触と衝突が避けられないこの2競技では、特にマウスピースがケガの防止に役立ち、アメリカンフットボールでは着用が義務付けられています。
タックルやスクラムで顔面に強い衝撃が加わることで、前歯が折れたり、口の中を切ったりする事故が後を絶ちません。
学生ラグビーやジュニアリーグでも着用の義務化が広まり、防具の一部として定着しています。

格闘技

顔面への打撃や頭部への衝撃が起こる格闘技でも多く使用されます。
口腔内のケガだけでなく、脳震盪のリスクを軽減するためにも着用が強く推奨されているのです。特にアマチュア試合では、着用が義務付けられているケースが多数あります。

バスケットボール、サッカー、ハンドボール

これらの球技は、肘や膝がぶつかったり、転倒したりしたときに歯をぶつけるケースが多いです。特にバスケットボールでのゴール下のリバウンド時の肘打ちや、接触プレーの多いポジションの選手は着用が推奨されています。実際、NBA選手やプロサッカー選手でもマウスピース着用者が増えており、自分を守る意識がプロの世界では常識になりつつあります。

野球、ソフトボール

意外と多いのが、ピッチャー返しやスライディングの際に歯をぶつける事故です。
ジュニア世代では体格差やフォームの未熟さから思わぬケガにつながることがあるため、練習段階からマウスピースを導入するチームも増えています。
打者の場合も、ボールを避けきれずに顔面に受ける危険があるので、特に子どもや女性に人気の競技ではマウスピースが重視されています。

陸上競技、ウェイトリフティング、クロスフィット

これらの競技やトレーニングでは、接触よりも無意識の噛みしめによる歯への負担や、顎関節症のリスク回避として注目されています。
ウェイトリフティングなどで瞬間的に強く噛むと、歯が割れる、すり減る、顎がズレるといった事例があるため、マウスピースの着用によって負担を軽減できるのです。

歯科医院での作成の流れ

スポーツ用マウスピースを歯科医院で作る流れはとてもシンプルで、通院も基本的には2~3回程度です。型取りがメインなので、特に痛みや怖さもありません。

予約とカウンセリング

まずは歯科医院にスポーツ用マウスピースを作りたい旨を伝えて予約を取ります。
初回の来院では、現在の歯の状態や、どんな競技で使うのか、頻度、希望するフィット感などをヒアリングし、「ラグビーで毎週試合がある」「週1でジムのトレーニングをしている」など具体的に伝えると、より最適な素材や設計をしやすくなります。

口腔内診査

虫歯や歯周病、噛み合わせの状態に問題がないかをチェックします。
もし治療が必要な歯があれば、先にそちらを優先する場合もありますが、完治させないと作れないわけではありません。程度が軽ければ、そのままマウスピース作成に進むケースも多いです。

歯型の採取

マウスピースのフィット感を決める大事な工程が、歯型取りです。
印象材という粘土のような材料を上の歯に押し当てて、正確な歯型をとっていきます。最近ではデジタルスキャナーを使って、3Dで歯を読み取る医院も増えており、より精密でスピーディーな作成が可能になっています。

マウスピースの製作

採取した型をもとにマウスピースが作られます。
使用する素材や色も選べることが多く、透明、カラータイプ、チームに合わせたデザインなどカスタム可能な医院もあります。完成までの期間は1週間~2週間が目安です。

装着チェックと微調整

完成したマウスピースが届いたら、実際に装着してみてフィット感、噛み合わせ、呼吸のしやすさ、発音への影響などをチェックします。
もし「キツすぎる」「浮く感じがある」「当たって痛い部分がある」など気になる点があれば、その場で調整します。
大事なのは、装着していることを忘れるくらい自然に感じられるかどうかです。

メンテナンスと使い方の指導

最後に、正しい使い方、お手入れの方法などをしっかりと聞きましょう。
基本的には使用後に水洗いして、乾燥させるだけで良いですが、ニオイや変色を防ぐために専用の洗浄剤を使うのも効果的です。
また、成長期の子どもや歯列矯正中である場合は、定期的なチェックや作り直しも必要になるため、その点もあわせて説明があります。

スポーツ用マウスピースで防御とパフォーマンスの向上を図ろう

スポーツ用マウスピースはケガの予防だけでなく、集中力やパフォーマンスの向上にも関わる大切なサポートアイテムです。
歯は一度折れたり抜けたりすると、治療に時間もお金もかかり、100%元通りには戻りません。
安全に、全力でスポーツを楽しむためにも、一度自身の競技やプレースタイルと照らし合わせ、歯科医院に相談してみて下さい。