TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2026.09.17 小児歯科

子どもでも歯周病になる? 大人との違いや原因、予防する方法について

歯磨きする子ども

歯周病は、大人がなるものだというイメージを持っている方も多いですが、実は子どもでもなるものです。
初期段階では痛みを感じないケースもあり、気づいたときには症状が進んでしまっていることも少なくありません。

今回は、子どもの歯周病とはどのようなものか、大人の歯周病との違いや原因、家庭でできる予防策を解説していきます。

子どもに起きる歯周病とは? 大人とどう違う?

子どもの歯周病は、大人の歯周病と異なる性質や原因がいくつかあります。
まず、歯周病には大きく分けて「歯肉炎」と「歯周炎」の2種類がありますが、子どもに多く見られるのは歯肉だけに炎症が出る「歯肉炎」です。
大人のように骨にまで炎症が及ぶ「歯周炎」まで進むケースは少ないものの、軽く見てしまうと悪化することもあります。
特に永久歯が生え始める時期は歯と歯肉の間に隙間ができやすく、そこに食べかすや汚れが溜まりやすくなるので、注意が必要です。

主な原因は、ブラッシングの仕方や食べ物の内容、体質、そして成長期特有のホルモンバランスの変化などです。
最もよく見られる原因は「磨き残し」で、朝の支度に追われてブラッシングが雑になる、夜疲れて歯みがきが短くなるといった、ちょっとした生活リズムの変化が積み重なるとリスクを高めてしまいます。

子どもに多い歯周病の種類

歯周病には子ども特有のものも存在しており、ここでは4つの代表的な種類をご紹介します。

萌出性(ほうしゅつせい)歯肉炎

新しい歯が生えてくるタイミングで起きやすいのが「萌出性歯肉炎」です。赤ちゃんの乳歯が生え始めるときや、6~12歳の永久歯に生え変わる時期によく見られます。
多くの原因は、生え始めた歯に歯肉が被さって、その隙間に歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるためです。
例えば、生えかけの歯の周りが赤くぷっくり腫れて、触るとちょっと痛がる場合は萌出性歯肉炎の可能性が高いでしょう。
この歯肉炎は、歯がしっかり生えきって歯肉が落ち着けば自然に改善するケースが多いですが、磨き残しが多いと炎症が長引いて悪化したり、虫歯の原因になったりするので、優しく丁寧なブラッシングを心がけて下さい。

不潔性歯肉炎

子どもの歯肉炎の中で最も多いのが「不潔性歯肉炎」です。
口腔内が不潔な状態になっていることが原因で、ブラッシングが雑だったり、歯ブラシが届きにくい奥歯や歯と歯の間に汚れが溜まっていたりすると、そこに細菌が増えて炎症を起こし、歯肉が赤く腫れたり、歯ブラシを当てたときに出血したりします。
放置すると次の段階の歯周炎に進んでしまうリスクもあるため、できるだけ早めに対応していきましょう。

思春期性歯肉炎

ホルモンバランスの変化によって起こるのが「思春期性歯肉炎」で、小学校高学年から中学生くらいの時期に多く見られます。
特に女の子に多く、これは思春期特有のホルモンバランスの変化によって、歯肉が一時的に敏感になるためです。
ホルモンの影響が落ち着くと自然に改善するケースもありますが、炎症が長引けば、ブラッシングだけでは対応しきれなくなることもあります。

若年性歯周炎

子どもから若い世代にかけて稀に見られる「若年性歯周炎」は、通常の歯周病とは違って、歯を支えている骨が急速に壊されるという特徴を持っています。
原因がはっきりと分かっていませんが、遺伝や特殊な細菌による感染が関係していると考えられており、家族内に若い頃から歯を失った人がいる場合は特に気を付けるべきでしょう。

子どもに見られる歯周病のサインを見逃さない

歯周病というのは、進行するまで目立った症状が出にくく、本人もあまり違和感なく過ごしてしまうことも少なくありません。
特に子どもは「痛い」とはっきり訴えないケースもあるため、親が異変に気づいてあげるのがとても大切です。

歯肉が赤く腫れている

健康な歯肉は、淡いピンク色で引き締まった見た目をしていますが、全体が赤くなっていたり、膨らんでいたりする感じがあれば要注意です。
特に歯と歯肉の境目が赤くなっていたら、歯肉炎の可能性があります。
変化に気づきにくいですが、ブラッシングの後に軽くチェックする習慣をつけておくと安心です。

ブラッシング中に血が出る

歯ブラシにうっすら血がついていたら、炎症が起きているサインのひとつです。
健康な歯肉であれば、多少強く磨いても出血することはありませんが、軽く磨いただけでも血が出るようならすでに炎症が進んでいる可能性があります。
「痛がっていないから大丈夫」と思わずに、少しでも出血が見られたら、一度歯科医院で診てもらうと良いでしょう。

口臭が強くなった気がする

歯周病菌が増えると、子どもでも大人と同じように口臭が強くなり、嫌なニオイを出すことがあります。
例えば、朝起きたときや、学校から帰ってきたときに口元から「ん?ちょっと臭うかも」と感じたら、それは見逃せないサインです。
子どもは体臭や口臭があまり強くないため、いつもと違うニオイには気づきやすいはずなので、気になったら早めにチェックしてみて下さい。

永久歯がグラグラしている

乳歯が抜ける時期であれば、歯がグラグラするのは自然な流れですが、永久歯がグラついていたら深刻なサインです。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、健康な歯でもグラグラしてしまうことがあります。
特に奥歯に違和感があるときは、できるだけ早く歯科医院に相談して下さい。

どうやって防ぐ? 子どもの歯周病予防の基本

子どもの歯周病は、毎日のちょっとしたケアをしっかり積み重ねると、かなりの確率で予防できます。

毎日のブラッシング指導は親の役割

子どもが小さいうちは、まだ手先が不器用なため、「自分だけで完璧にできる」と考えない方が良いでしょう。
親が仕上げ磨きをしてあげるのが良く、特に小学校低学年くらいまでは夜だけでもやってあげるのがおすすめです。
一緒に歯磨きチェックをする時間を取ると、子どもは「歯を大事にしよう」という意識を持てるようになります。

デンタルフロスの習慣化がカギ

歯ブラシだけではどうしても届かない場所があるため、歯ブラシに加えてデンタルフロスを使う習慣をつけるのも、歯周病予防には非常に効果的です。
特に奥歯の間や、歯と歯の隙間に食べかすが溜まりやすい子どもは、通常のブラッシングだけでは落としきれない汚れが蓄積します。
まずは週に2~3回から始め、子ども用のかわいいフロスを使ったり、ゲーム感覚で楽しく取り組めたりすれば続きやすいでしょう。

甘いものやジュースの摂取しすぎに注意

歯周病菌は糖分をエサにして増殖するため、甘いお菓子やジュースを頻繁に摂る習慣があると、歯周病リスクは高まります。
特に間食がだらだら続くと、口の中がずっと酸性の状態になり、免疫力が落ちてしまうため、例えば「おやつは1日1回」「ジュースは特別なときだけ」など、ルールを決めるだけでも効果があります。
水やお茶を飲む習慣をつけたり、歯に優しいおやつを選んだりする工夫もおすすめです。
子どもに無理をさせすぎない範囲で食生活を整えていきましょう。

定期的な歯科検診をスケジュールに組み込む

どれだけ家庭で頑張っていても完璧に予防するのは難しいため、歯科医院で定期検診を受けて、プロの目でチェックしてもらうのが大切です。
できれば3~6ヶ月に1回を目安に、歯科医院でのクリーニングと検査を受けるようにしましょう。
例えば、「夏休みと冬休みに歯医者さんに行く」といったスケジュールを家族で決めておくと、忘れずに継続しやすいです。
子どもが「歯医者さんは怖いところ」というイメージを持たないよう、できるだけ楽しい雰囲気で通院できる工夫もしてあげると良いでしょう。

親がしっかり見て健康な口腔内環境を作ろう

診察を受ける子ども

子どもの歯周病は、親が気を配って早めに気づき、毎日のケアでしっかり防ぐのが大切です。「何もなければ安心」くらいの気持ちで、積極的に歯科検診を習慣にすると予防につながります。
子どもの歯肉はまだ柔らかくてデリケートですが、その分きちんとケアすれば元気を取り戻す力もあるので、子どもの笑顔と健康を一緒に守っていきましょう。

当院でも、歯のメンテナンスやセルフケアに関するアドバイスや指導を行なっていますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。